脳梗塞の経過とリハビリの考え方
脳梗塞の治療やリハビリは、一般的に
急性期・回復期・生活期の3つの段階に分けて進められます。
発症直後は命を守る治療が最優先され、その後、機能回復を目的とした集中的なリハビリが行われます。
多くの場合、発症からおよそ6か月〜1年半ほどを一つの目安として、段階的に社会復帰を目指していく流れになります。
※実際の経過や回復のスピードは、症状や年齢、体調によって大きく異なります。
脳梗塞のリハビリを支える「療法士」
脳梗塞後のリハビリには、療法士と呼ばれる専門職が関わります。
代表的なのが、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)です。
それぞれ役割が異なり、連携しながら回復を支えてくれます。
理学療法士(PT:Physical Therapist)
主な役割
立つ・座る・歩く・寝返るといった、身体の基本的な動作の回復を支援します。
主なリハビリ内容
- 麻痺した手足の筋力強化
- 関節の動きを保つ訓練
- 歩行練習やバランス訓練
- ロボット機器を使った訓練(病院による)
作業療法士(OT:Occupational Therapist)
主な役割
食事・着替え・入浴・家事など、日常生活や社会生活に必要な動作の回復を支援します。
主なリハビリ内容
- 日常生活動作(ADL)の練習
- 手指の細かい動きの訓練
- 記憶力や注意力など、高次脳機能へのアプローチ
- 仕事復帰に向けた評価や練習
言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapist)
主な役割
「話す・聞く・理解する」ことや、「飲み込む」機能の回復を支援します。
主なリハビリ内容
- 発声・発音の練習
- 言葉の理解や表現の訓練
- 嚥下(えんげ)訓練による安全な食事の支援
リハビリの時期と関わり方
急性期(きゅうせいき)
発症直後〜おおむね2週間前後
この時期の目的
- 命を守ること
- 脳へのダメージを最小限に抑えること
- 再発を防ぐこと
主な治療・対応
- 点滴、投薬、血圧・血糖・心拍などの厳密な管理
- 状況によっては血栓を溶かす治療やカテーテル治療
- 脳卒中集中治療室(SCU)での管理
リハビリについて
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が関わり始める
早期離床(寝たきりを防ぐ)が重要
ベッド上での関節運動、座る練習、立ち上がりの補助など
回復期(かいふくき)
発症後2週間〜6か月(長いと1年ほど)
この時期の目的
- 失われた機能をできるだけ回復させる
- 日常生活動作(ADL)を取り戻す
- 自宅復帰や社会復帰を目指す
主な特徴
- 回復期リハビリテーション病院へ転院することが多い
- 1日2〜3時間以上の集中的なリハビリ
- 麻痺・歩行・手の動き・言語・嚥下などを重点的に改善
リハビリの内容
ST:言葉、記憶、注意力、飲み込み
PT:歩行、立ち上がり、バランス
OT:着替え、食事、トイレ、手の細かい動き
生活期(せいかつき)
退院後〜その後の人生すべて
この時期の目的
- 回復した機能を維持・向上させる
- 再発を防ぐ
- 自分らしい生活を続ける
主なポイント
- 自宅や通所施設でのリハビリ継続
- 服薬管理、食事、運動、生活習慣の見直し
- 必要に応じて訪問リハビリ・デイケアの利用
心と生活のリハビリ
気持ちの落ち込みや不安への対処も大切
後遺症との付き合い方を考える
仕事・家事・趣味をどう続けるか
「脳梗塞リハビリの専門家」について
医療機関やリハビリ施設の中には、
脳血管疾患に特化した知識や経験を持つ療法士が在籍しているところもあります。
こうした療法士は、患者一人ひとりの状態に合わせて、
より専門的なリハビリを提供する「脳梗塞リハビリのスペシャリスト」として活動しています。
脳梗塞とカテーテル治療について(概要)
脳梗塞の治療の一つに、**カテーテル治療(血栓回収療法)**があります。
これは、詰まった血管に細い管(カテーテル)を通し、血栓を取り除く治療です。
使用されるカテーテルの太さや種類は、
- 血管の状態
- 詰まりの位置
- 発症からの時間
などを総合的に判断して選択されます。
治療の適応や方法については、日本脳卒中学会などのガイドラインに基づき、医師が慎重に判断します。
このページについて
ここに書いた内容は、
自分が発症する前に知っておきたかった基礎的な情報を中心にまとめています。
実際の入院生活やリハビリの体験については、
別ページで時系列に記録していきます。
