2026年11月1日(日)
- 発症日: 2025年9月6日
- 回復期: 2025年10月4日
- 生活期: 2026年3月1日
- 発症日から: 422日目
- 生活期から: 246日目
① 脳梗塞になってから感情が変わった
2025年9月6日に左内包後脚のラクナ梗塞を発症し、右半身麻痺などの後遺症が残りました。
発症から1年以上が経過し、現在もリハビリを続けています。
右手や右足の麻痺、歩行の問題など、身体の後遺症についてはこれまでブログでも何度か書いてきました。
しかし、実はもう一つ、以前から気になっていたことがあります。
それは、脳梗塞になってから、自分の感情をうまくコントロールできなくなったように感じることです。
以前なら何でもなかったようなことで涙が出たり、ささいなことで笑いが止まらなくなったりします。
さらに、人との会話についていけず、言いたいことがあってもすぐに言葉が出てこないこともあります。
こうした症状は、脳梗塞になる前にはほとんどありませんでした。
これは一体何なのだろう。
以前から疑問に思っていたので、今回少し調べてみることにしました。
② 見舞いに来てくれた人の顔を見た瞬間、涙が止まらない
入院中、親戚や大切な友人、長年付き合いのある仕事仲間などが見舞いに来てくれました。
久しぶりに顔を見られることは、本当に嬉しいことでした。
ところが、相手の顔を見た瞬間から涙があふれ、なかなか止まらなくなってしまうのです。
何か悲しい話をしているわけではありません。
会いに来てくれたことが嬉しく、ありがたいという気持ちなのですが、自分でも驚くほど涙が出てしまいます。
もちろん、大きな病気をして入院しているのですから、感情的になることは自然なことだと思います。
それでも、以前の自分とは明らかに違うように感じました。
③ リハビリで褒められるだけでも涙が出る
入院中のリハビリでも、同じようなことがありました。
理学療法士や作業療法士の先生から、
「前より動くようになりましたね」
「よく頑張りましたね」
そんな嬉しい言葉をかけられると、涙が出て止まらなくなることがありました。
右半身が思うように動かず、毎日のリハビリに必死だったので、褒めてもらえることは本当に嬉しかったのです。
ただ、それにしても以前より涙もろくなったように感じます。
嬉しいという気持ちは確かにあるのですが、その感情が必要以上に大きく表に出てしまうような、不思議な感覚でした。
④ ささいなことで笑いが止まらなくなる
涙とは反対に、笑いについても変化があります。
人との会話中、ちょっとしたことが笑いのツボに入ってしまうことがあります。
普通なら少し笑って終わるようなことでも、なかなか笑いが止まりません。
しかも、頭の中では、その話から別の面白い出来事を思い出し、さらに次の出来事を連想してしまいます。
一つのことから次々と面白いことが浮かんできて、思い出し笑いが続いてしまうのです。
自分では笑いを止めて普通の会話に戻りたいのですが、なかなか切り替えられません。
相手からすると、何がおかしいのか分からないでしょうし、いつまでも笑っている私を見て、不思議に思うかもしれません。
正直なところ、周囲の人に変な印象を与えてしまっているのではないかと気になることもあります。
⑤ 会話のキャッチボールがうまくできない
もう一つ気になっているのが、人との会話です。
脳梗塞になる前は、仕事でも日常生活でも、人と会話することに特別な不自由は感じていませんでした。
ところが発症後は、相手の話にすぐ返答できないことがあります。
言いたいことは頭の中にあるのに、言葉がうまく出てこない。
相手が次々と話していると、そのスピードについていけなくなることもあります。
返答を考えているうちに話題が変わってしまい、結局何も言えずに黙ってしまうこともあります。
さらに、先ほど書いたように笑いが止まらなくなると、会話に戻るタイミングまで失ってしまいます。
相手からすれば、話を聞いていないように見えたり、反応が鈍いと思われたりするかもしれません。
しかし、自分ではきちんと会話をしたいと思っているのです。
このもどかしさは、実際に経験してみないとなかなか分からないものかもしれません。
⑥ ブログを書くことにも以前より時間がかかる
実は、こうした変化は会話だけではありません。
このブログを書くときにも感じています。
以前は仕事で文章を扱うことも多く、パソコンを使う作業には慣れていました。
ところが、脳梗塞になってからは、文章を書こうとしても考えがまとまらず、以前より時間がかかるようになりました。
何を書きたいのかは分かっているのですが、それをどのような順番で説明すればよいのか、なかなか整理できないことがあります。
一度書いた文章を何度も読み返したり、途中で考え直したりすることも増えました。
もちろん、右半身麻痺のため、現在は左手でパソコンを操作していることも影響しています。
しかし、それだけではなく、頭の中で文章を組み立てること自体にも時間がかかるように感じます。
これも脳梗塞の後遺症なのだろうか。
そんな疑問を持つようになりました。
⑦ 生活期に入った今でも、涙や笑いが止まらなくなる
2026年3月に生活期に入ってからも、こうした症状は続いています。
例えば、妻との何気ない会話でも、ちょっとしたことが笑いのツボに入ってしまい、なかなか笑いが止まらなくなることがよくあります。
そして、最近こんな出来事もありました。
以前から何度か足を運んでいる家具屋さんがあります。
そのお店には若い男性の社員さんがいて、初めてお会いしたときから、一生懸命さが伝わってくる、とても感じの良い好青年でした。
先日、再びその家具屋さんを訪ねたところ、残念ながらその日はお休みでした。
店長さんとお話ししていると、どうやらその青年のことをとても気に入っている様子でした。
よくよく話を聞いてみると、実はその青年は家具屋さんの息子さんで、家具の製造工場や営業、店舗での仕事など、さまざまな経験を積みながら修行している最中なのだそうです。
その話を聞いた瞬間、なぜか嬉しくなってしまい、涙があふれて止まらなくなりました。
初めて会ったときに感じた、あの一生懸命な姿。
それが、将来に向けてさまざまな仕事を経験しながら頑張っている姿と重なり、何とも言えない嬉しい気持ちになったのです。
もちろん、若い人が一生懸命頑張っている姿を見たり、その話を聞いたりして感動することは、誰にでもあると思います。
ただ、以前の私だったら、心の中で「立派な青年だな」「頑張ってほしいな」と思うことはあっても、その場で涙が止まらなくなるほどではなかったと思います。
脳梗塞になってからは、こうした何気ない出来事でも、感情が大きく表に出てしまうことがあります。
嬉しいという気持ちは本物なのですが、自分でも驚くほど涙が出てしまうのです。
入院中だけのことではなく、発症から1年以上経った現在でも、こうした変化を日常生活の中で感じています。
⑧ 感情失禁(情動失禁)とは何だろう
今回、自分の症状について調べてみると、「感情失禁(情動失禁)」という言葉が出てきました。
感情失禁とは、脳の病気などによって感情の表現を調節する働きが影響を受け、涙や笑いを自分の意思で抑えにくくなる症状です。
例えば、
- 嬉しいことがあると涙が止まらなくなる
- ささいなことで泣いたり笑ったりする
- 自分では止めたいのに、涙や笑いが続いてしまう
- 実際の気持ち以上に感情が強く表に出てしまう
といったことがあります。
脳卒中後にも、このような症状が現れる場合があるそうです。
ただし、嬉しくて涙が出ることや、面白いことを思い出して笑うこと自体は、誰にでもある自然な反応です。
感情失禁かどうかは、感情の強さと涙や笑いの程度が釣り合っているか、自分の意思で止められるかなどを含めて、専門的に判断する必要があります。
私の場合も、今のところ感情失禁と診断されたわけではありません。
ただ、これまでの体験を振り返ると、思い当たる部分があるように感じています。
⑨ 高次脳機能障害との関係は?
もう一つ気になったのが「高次脳機能障害」です。
高次脳機能障害とは、脳の損傷によって、記憶、注意、判断、言語、感情や行動のコントロールなどに問題が生じる状態を指します。
代表的なものには、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
例えば、注意機能や情報処理速度に問題があると、会話のスピードについていくことが難しくなる場合があります。
また、遂行機能に問題があると、物事を順序立てて考えたり、考えを切り替えたりすることが難しくなる場合があります。
私の場合、会話中に返答が遅くなることや、文章を整理するのに時間がかかることが、こうした機能と関係している可能性も考えられます。
ただし、言葉が出にくい原因には、失語症や構音障害などもあります。
構音障害は、口や舌などの運動がうまく調節できず、言葉を明瞭に発音しにくくなる障害です。
一方、失語症は、言葉を理解したり、適切な単語を思い出したり、文章を組み立てたりする言語機能の障害です。
これらは同じものではありません。
また、感情失禁と高次脳機能障害は、必ずしもどちらか一方というわけではなく、両方が関係している場合もあります。
自分の症状がどれに当てはまるのかは、専門的な検査を受けなければ分からないと思っています。
⑩ 発症から1年以上、少しずつ改善している
ここまで、脳梗塞になってからの感情や会話の変化について書いてきました。
ただ、発症直後と現在を比べると、少しずつ改善しているように感じます。
入院中は涙が止まらなくなることも多かったのですが、現在は時々起こる程度になっています。
会話や文章作成についても、以前のようにスムーズとはいきませんが、少しずつ良くなっている実感はあります。
それでも、まだ自分の意思とは違う反応が出てしまうことがあります。
今後は主治医にも相談し、必要であれば言語聴覚士による評価や、高次脳機能についての検査も受けてみたいと思っています。
身体の麻痺は目に見えますが、感情や思考、言葉の問題は外からはなかなか分かりません。
自分でも、脳梗塞になって初めて気づいたことでした。
⑪ 見た目には分からない後遺症もある
脳梗塞の後遺症というと、どうしても手足の麻痺や歩行障害に目が向きます。
私自身も、これまでは右手を動かすことや、少しでも安定して歩けるようになることを中心にリハビリを続けてきました。
しかし、今回あらためて振り返ってみると、脳梗塞によって変わったのは身体だけではなかったのだと感じます。
涙が出やすくなったこと。
笑いが止まらなくなること。
会話についていけなくなること。
言いたいことがすぐに言葉にならないこと。
文章をまとめるのに時間がかかること。
こうした変化も、私にとっては日常生活の中で感じる大きな問題です。
そして、周囲の人からはなかなか理解してもらいにくい部分でもあると思います。
もちろん、今回書いた症状がすべて脳梗塞によるものなのか、現時点では分かりません。
これから専門家に相談しながら、一つずつ確認していきたいと思っています。
発症から422日目。
身体のリハビリと同じように、感情や言葉についても、焦らず少しずつ向き合っていきたいと思います。
人と比べない。昨日の自分と比べる。
これからも、小さな変化を大切にしながら前に進んでいきたいと思います。
同じような経験をされている方はいらっしゃるでしょうか。
もしよろしければ、コメントで体験を教えていただけると嬉しいです。
この記事について
この記事は、私自身が脳梗塞後に経験した症状や、調べた内容をまとめた個人の体験記です。
感情失禁や高次脳機能障害について、私自身が専門医による確定診断を受けたという意味ではありません。
脳梗塞後の症状や回復の経過には個人差があります。似た症状があっても原因が同じとは限りません。
症状について心配なことがある場合は、主治医や脳神経内科、リハビリテーション科などの医療専門職に相談してください。
また、突然言葉が出なくなる、麻痺が強くなるなどの新しい症状が現れた場合は、脳卒中の再発の可能性もあるため、速やかに救急対応を受けてください。


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